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660 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21 24 05 ID TnqA3oFz0 [2/4] コンコン 「どうぞ」 「よっ、準備できたんだって?・・・よく似合ってるじゃねぇか」 「あたりまえじゃん、あたしを誰だと思ってんの?そういうアンタは・・・ま、まあまあじゃん」 「おいおい、こういう時ぐらいカッコいいとか言えねぇのかよ・・・」 「キモッ!自分でカッコいいとか何言っちゃってるのこいつ!? あんたナルシストっぽいところあると思ってたけど、そういうところ直したほうがいいよ? …なんてね、冗談だって。カッコいいじゃん『兄貴』」 「こんなときでも相変わらず口がへらねえのな、お前も。というか何だよ、今更『兄貴』なんて」 「ん~・・・ちょっと昔のこと思い出しちゃってさ。そのせいかな」 「昔のことねえ。・・・そういえばお前にミスター・シスドーだのなんだの言われて色々言わされたこともあったか」 「うっ・・・」 「おっ、まさか図星か?たしか『そんな道理ッ!私の無理でこじ開ける!!』だったか。 今更シスコンだとかそういうのは否定するつもりもねえけどよ、今思えばあれは今まさにこの状況を望んでたってことだったのか?」 「・・・あんたが悪いんじゃん。何をしてもあたしの気持ちに気付きもしないし。 あのころのあたしがドンだけ苦労してたかわかんないでしょ?」 「うぐ・・・ま、まあいいじゃねぇか。今お互いこうしていられるんだからよ」 「結果論じゃん・・・色々あったよね、あたしたち」 「そうだな。・・・後悔してるのか?」 「してるわけないじゃん。これはあたしが望んだこと。それを後悔なんてするわけない」 「・・・」 「ただ、この場に『あいつら』がいないのがちょっと・・・ううん、すごく残念、かな」 「駆け落ち同然に家を飛び出して、色んなところを転々としてきたからな。 今頃なにやってるんだろうな、あいつら。案外昔とほとんど変わってなかったりしてな」 「あははっ、流石にそれはないでしょっ」 コンコン 「はい、どうぞ」 「お邪魔しますね。おお、お二人ともよくお似合いですよ」 「ありがとうございます、神父さん」 「いえいえ。準備が出来たのでお呼びにきたんですよ」 「そうですか、わかりました。んじゃ、行くか。桐乃」 「うん、兄貴」 「それまだ続けるのか?」 「いいじゃん、なんかそういう気分なの!」 「へいへい」 「こんな辺鄙な教会で式を挙げてくださるというので、こちらも張り切って準備したんですよ」 「それは、なにかすいません。気を使わせてしまったみたいで」 「お気になさらないでください。…こちらです。この扉の向こう。きっとお二人ともびっくりなされますよ」 「え?それってどういう・・・」 「それでは、どうぞ」 「「え?」」 661 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21 25 30 ID TnqA3oFz0 [3/4] 「よう!久しぶりだな高坂!こんなめでたい席に呼びもしないなんて友達がいのないやつだな!」 「そうですよ先輩!ちょっとぐらい声かけてくれたっていいじゃないですか!お久しぶり、桐乃ちゃん!」 「あ、赤城!?」 「せ、せなちー!?な、なんでここにいるの!?」 「私たちもいるよ、きょうちゃん」 「へへへ、かなかなカッコいいじゃんか!あんちゃん!」 「麻奈実、ロックも・・・」 「桐乃、久しぶり・・・」 「なんだ、結構元気そうじゃんか。そっちの変態兄貴も♪」 「あやせ、かなこ・・・」 「なんでみんなここに・・・」 「拙者がよんだんでござるよ」 「沙織!」 「お久しぶりでござるな。きりりん氏、京介殿」 「お前、なんで・・・」 「何でとはまたつれないでござるな京介殿。拙者とお二方の仲ではござらんか」 「そうじゃなくて!何であたしたちがここにいるって・・・それに式のことも」 「それは、そこにいる神父殿でござるが・・・実は拙者のおじい様であるからして」 「「ええええええ!!?」」 「というのは嘘で、実はそちらの方はお父様のお知り合いでして。その関係でこちらに情報が流れてきたでござるよ」 「沙織さんがあなた方を探しているというのは私も聞き及んでいましたので。勝手ながら連絡させてもらいました」 「そ、そうだったんだ・・・もう、あんまりびっくりさせないでよね!・・・でも安心した。沙織、あんた何にもかわらないわね」 「だよな。しかし沙織よ、そのドレスにぐりぐりめがねはどうかと思うぞ・・・」 「はっはっは!そう褒めないで下され、照れるではござらんか。作戦成功でござるな。 では失礼して・・・そうそう、お二人にはまだ会っていただきたい人がいるんですよ」 「え・・・」 「まさか・・・」 「久しぶりね、二人とも。相変わらず兄妹そろっての間抜け顔で安心したわ」 「・・・」 「桐乃、京介、心配してたのよ」 「あんた・・・」 「親父、母さん」 「京介」 「・・・なんだよ、親父」 「もう私はしのごのいうつもりはない。お前達の覚悟も、決意もよくわかっているつもりだ」 「親父・・・」 「だがこれだけは覚えておけ。もし桐乃を泣かせるようなことがあれば、今度こそお前を許すつもりはない・・・わかったな」 「そうよ、京介。そんなことしたら、もう家の敷居またがせないからね。覚えておきなさい」 「ああ、わかったよ。親父、母さん。絶対に桐乃を泣かせるようなことはしない。約束する」 「それさえ聞ければもう私は言うことはない。・・・京介」 「なんだよ?」 「・・・すまなかった」 「!・・・ああ」 「ほら、あなた。席につきましょ」 「うむ」 662 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/18(土) 21 26 18 ID TnqA3oFz0 [4/4] 「黒猫・・・」 「・・・」 「あたし、アンタになんて言っていいか・・・」 「・・・ふう、やっぱりあの時のことを、いまだに気にしてたのね。あきれたわ」 「そんなことって・・・!あたしは!ずっと、アンタに謝りたくて!でも、どういえばいいか、わかんなくて・・・」 「謝られることなんてあったかしら?彼は私ではなくあなたを選んだ。ただそれだけのことでしょう?」 「でも!」 「もう、しつこいわね。私がいいと言っているのだからそう受け取りなさい。・・・そうね、そんなに私に悪いと思っているのなら・・・」 「な、なによ・・・」 「せいぜい幸せにおなりなさい?私が、私たちがあなたたちをやっかむほどにね。 私はあなたが嫌いだけれども、あなたたちが幸せならそれでいいわ。だって私達は・・・と、友達でしょう?」 「!!・・・~~~っ!」 「きゃっ!・・・いきなり抱きつかないでくれるかしら?ああ、もう、涙をおふきなさい」 「だって、だって・・・!」 「ふう、・・・高坂桐乃」 「・・・なに?」 「あなたには、私の真名を呼ぶことを許すわ。これからは私のことは瑠璃と呼びなさい」 「! くろ・・・瑠璃、ありがとう。それとごめんね。あたし、あんたのこと・・・大好きだから!」 「!・・・そう」 「よう、久しぶりだな、黒猫」 「そうね、誰かさんに見限られて以来かしら?」 「むぐ、相変わらずキッツいっすね黒猫さん。そういわれてもしかたないんだけどね!?」 「ふふ。、さて、そろそろこの子を離してもらっていいかしら?いつまでも抱きつかれていたらたまらないわ」 「・・・そうか。ほら、桐乃離れろって。あ~あ~こんなに泣いちまって。ほら、これで涙拭けよ」 「ぐすっ、・・・うん、ありがと」 「じゃあそろそろ席に着くわ。失敗して恥をかかないようにね?『兄さん』?」 「余計なお世話だよ!?」 「みんなかわらねえな。なんか安心しちまったぜ」 「そうだね。・・・ねぇ兄貴」 「なんだよ」 「絶対にこの手はなしたら嫌だかんね?離したら一生恨んでうやるから!」 「離すつもりなんてはなからねーよ。それこそお前が嫌だっつってもな!・・・桐乃、今幸せか?」 「当たり前じゃん!兄貴が隣にいて、みんなが祝福してくれるんだよ?あたしちょー幸せだよ」 「そっか。そうだよな・・・」 「・・・?どうしたの兄貴」 「いや、控え室いるときにお前が昔のこと思い出してたっていってただろ?」 「うん」 「俺もちょっと思ったんだよ。もし昔の、お前に人生相談受ける前の俺が今のお前を見たらなんて言うかって。 でも考える必要もなかったわ」 「ふ~ん、なんで?」 「あのころの俺がなんて言うかなんて分かりきってるってこった。そう、あのころの俺はきっとこう言うんだろうさ・・・」 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 134 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/16(木) 21 35 46 ID 1cioRF78O
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掲載順 SS 一覧 41~50スレ 41スレ目 KKK会報 量子力学とアルバムより:41スレ目64 桐パン:41スレ目140 変態系:桐,京,あ 兄貴のボトムズ 第3話:41スレ目247/小ネタ ※AAネタ プレゼント:41スレ目364 ※母の日ネタ 甘々系:桐,京 シスターハラスメント:41スレ目400,402,405-410,414,418,420,422-426/小ネタ集 食卓の風景:41スレ目528/小ネタ きょうちゃん奮闘だぁ!:41スレ目593 甘々系:桐,京 42スレ目 親子でプリクラ:42スレ目464/小ネタ プール:42スレ目583 甘々系:桐,京 俺の携帯がこんなに妹なわけがない:42スレ目628 甘々系:京 夏でよかった!!:42スレ目728,731,735,738,739,740,750/小ネタ集 プリクラの行方:42スレ目808,811-812 ※42スレ768ネタ 甘々系:桐 桐乃屋コピペ:42スレ目882,882/小ネタ ※吉野家ネタ この書き込みは省略されました。:42スレ目998/小ネタ 変態系:桐 43スレ目 プリクラ:43スレ目10,158/小ネタ集 キス:43スレ目63 甘々系:桐,京 兄パン事件:43スレ目173 くんか系:桐,京 名前で呼んで:43スレ目206 甘々系:桐,京,佳 御鏡は半分○○:43スレ目287 瀬ハアッー!系:京,御 手錠つき:43スレ目450,463,465,467,469,477-479/小ネタ集 隠し場所:43スレ目635 変態系:京,浩 桐乃スレ憲法:43スレ目674,676,680,681,683-686,695,703-705/小ネタ集 妹:43スレ目688,690,696,699-701,706/小ネタ集 ※43スレ目681に対して あの素晴らしい愛をもう一度:43スレ目735 ※歌詞 きりのくえすと:43スレ目883,885-894,897,899,901,903/小ネタ集 ある日の食卓で:43スレ目918/小ネタ 甘々系:桐,京,佳,大 どうしようもない京介に天使が降りてきた:43スレ目949 せつない系:桐,京 ブラザー=コンプレックス:43スレ目950 ※8巻4章桐乃視点 せつない系:桐,京 44スレ目 「桜並木の下で」~それぞれの未来~(桐乃END):44スレ目112 甘々系:桐,京 少女が泣いている:44スレ目119 義妹:44スレ目229 甘々系:桐,京,佳,麻 シスコン兄貴・京介の妹萌え言動一覧 44スレver:44スレ目255/小ネタ 桐乃グラビアコレクション:44スレ目267,268,271,274,275,276,278,284/小ネタ集 兄足:44スレ目363/小ネタ ※くんかネタ 7巻終わり~8巻序盤:桐乃視点:44スレ目378 せつない系:桐,京,黒 the smeller:44スレ目403/小ネタ くんか系:桐,京 涙の小瓶:44スレ目410/小ネタ 聖地巡礼:44スレ目420 日常系:桐,京,沙,黒 ピンチでチャンス:44スレ目423 その他系:桐,京,大,オリ 感染拡大:44スレ目436/小ネタ どう見ても:44スレ目451 日常系:桐,京,珠,日 ケーキのイチゴ:44スレ目471 甘々系:桐,京 返して欲しくば…:44スレ目733,745,756/小ネタ集 ※兄パンネタ 保存用実用用観賞用:44スレ目761-763,873/小ネタ集 ※変態ネタ 2度目のイブデート:44スレ目822/小ネタ 血のつながりなんかなくったって:44スレ目938/小ネタ 45スレ目 ママ:45スレ目36-43,46/小ネタ集 ギュッとして寝るだけの簡単なオ45ト:45スレ目47/小ネタ ※スレタイネタ 甘々系:桐,京,あ ずるい:45スレ目48-50,174 せつない系:桐,京,あ おにぎり:45スレ目95/小ネタ 甘々系:桐,京 あやせのSS―――加奈子も一緒:45スレ目215 微エロ系:桐,あ,加 大学生京介の同棲疑惑:45スレ目307,933 甘々系:桐,京,オリ 簡単なお仕事:45スレ目321 甘々系:桐,京 京介=マネージャー:45スレ目379,382,383,388,394,300,412,420/小ネタ集 モデル3人娘:45スレ目408/小ネタ 甘々系:桐,京,あ,加 ミミック:45スレ目441 甘々系:桐,京 俺が…俺たちが、あやせだ!:45スレ目456-465/小ネタ集 佳乃さんの日記:45スレ目571 甘々系:桐,京,佳 リヴァイアサン:45スレ目648/小ネタ ※リヴァイアサンまとめ 佳乃さんの日記 after:45スレ目657/小ネタ ※44スレ目571の続きネタ 日常系:桐,京,あ ごちゅう告は心をこめて?:45スレ目795 甘々系:桐,京 スレタイ候補でSS 42~46スレまとめ編:45スレ目963 ※スレタイネタ 日常系:桐 46スレ目 水着:46スレ目40 微エロ系:桐,京,あ,加,他 私が好きなりんこりん:46スレ目75/小ネタ 呼び方:46スレ目145 甘々系:桐,京 お医者さんごっこ:46スレ目162 甘々系:桐,京,あ,加 ごきげんよう:46スレ目172-174/小ネタ集 お○しょ?:46スレ目395,398,400-401,403-407,413-414,425,440/小ネタ集 ※変態&微スカネタ注意 DVD特典小説桐乃視点続き:46スレ目409 甘々系:桐,あ,加 揉むぞ:46スレ目436-437/小ネタ集 ※微エロ 鏡写し:46スレ目474 せつない系:桐,京 家族会議:46スレ目544 甘々系:桐,京,佳,大 妬き土下座:46スレ目572/小ネタ 釣り:46スレ目593 ※釣り 甘々系:桐,京 妹に恋しよっ♪:46スレ目640,642-649/小ネタ集 chain ―鎖―:46スレ目641 せつない系:桐,京 とある兄妹のフィギュア事情:46スレ目677 変態系:桐,京 スレタイでSS 47スレ目:46スレ目970 ※スレタイネタ 甘々系:桐 47スレ目 俺の嫁:47スレ目29,32-36,38/小ネタ集 鋼の妹術師:47スレ目168/小ネタ 妹婚:47スレ目270 甘々系:桐,京 高坂桐乃の真相:47スレ目272 くんか系:桐,京 月夜と祭りとすれ違い:47スレ目278 甘々系:桐,京 後日と電話と逃した魚:47スレ目295 ※47スレ目278の続き 甘々系:桐,京,黒 着信音:47スレ目320 甘々系:桐,京 ブライダルストーリー:47スレ目320 甘々系:桐,京,佳,大,オリ 告白:47スレ目320 甘々系:桐,京,浩 あなたと…:47スレ目353,364,367,376,377/小ネタ集 シスシスは人生:47スレ目479 変態系:桐,京 スレタイでSS48スレ目:47スレ859/小ネタ 48スレ目 五更家の姉妹:48スレ目319 (日向が)せつない系:桐,京,黒,日,珠 あの日見た「桐乃」の名前を僕達はまだ知らない。:48スレ目399-408/小ネタ集 ※変態ネタ 風呂上がり:48スレ目429/小ネタ 俺妹三大疑問:48スレ目459,461/小ネタ集 コネクト:48スレ目480,483,486,500,501/小ネタ集 姉萌え:48スレ目526/小ネタ 日常系:桐,京 女神様が、見てる…:48スレ目644 甘々系:桐,京 「俺妹ラジオ」プロローグ風(ゲスト 高坂京介):48スレ目645 甘々系:桐,京,黒,あ 実家で兄妹二人きりの夜(とある9月の祝日):48スレ目673 甘々系:桐,京,佳,大 「くんか」事件:48スレ目721/小ネタ 10年後の8月:48スレ目847 せつない系:桐,京 49スレ目 『大嘘つき』のお兄さん:49スレ目18/小ネタ ※リヴァイアサンネタ 並んでエロゲ:49スレ目188/小ネタ 名前:49スレ目320 甘々系:桐,京,沙,黒 桐乃の夢:49スレ目340,342-353/小ネタ集 違う男:49スレ目444,445,447,448,464,465/小ネタ集 夜も眠れないCD:49スレ目494-498小ネタ集 兄妹アロマ:49スレ目500,502,517-520,525,528/小ネタ集 ※くんかネタ有り 危うい?関係:49スレ目593,595,597/小ネタ集 ベッドの中:49スレ目636/小ネタ :桐,京 雨の日:49スレ目717 :桐,京,あ,加 シスコンマスター・京介:49スレ目740 ※打ち切り漫画風 憧憬:49スレ目765 :京,佳,オリ 50:49スレ目988/小ネタ :桐,京 50スレ目 きりりんのコスプレショー:50スレ目179,183,186,227,265,268,269,273 体操服とブルマー:50スレ目223 甘々系:桐,京 こちら中区ニュータウン前派出所:50スレ目292 日常系:桐,京,大 荷物持ちだから:50スレ目397/小ネタ 大好きなお兄ちゃんとの休日:50スレ目399/小ネタ ご当地メルルを求めて:50スレ目460-463,465,467,469,470,472,473/小ネタ集 少し未来の、少し近い二人。大人京介の逆襲:50スレ目488 甘々系:桐,京 見えない親友:50スレ目497/小ネタ ※ホラー注意 赤城浩平から、桐乃スレのみんなへ:50スレ目601 弁明系:浩 kiss:50スレ目705 甘々系:桐,京 京介の服+腕まくり+エプロン+髪アップ+片手にお玉:50スレ目765-771/小ネタ集 きりりんマジちょろい:50スレ目814,836,878,881,884/小ネタ集 ※微エロ くんか☆いんぱくと:50スレ目985/小ネタ
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掲載順 SS 一覧 51~60スレ 51スレ目 兄貴桐乃湯:51スレ目95,114/小ネタ 紳士の発想:51スレ目180-181,184-190/小ネタ集 ※俺妹Pネタ 今夜の願望風呂(入浴剤):51スレ目195 甘々系:桐,京 クンカたんネタ:51スレ目228 くんか系:桐,京 クンカたんの憂鬱:51スレ目236-237,239-240,245-248/小ネタ集 兄貴とカラオケ:51スレ目238,241,251/小ネタ集 Akinator:51スレ目357-358,372-373,375-376,381/小ネタ集 海辺の旅館で:51スレ目363/小ネタ 海での一幕:51スレ目403/小ネタ 恋多き乙女・桐乃(Aルート):51スレ目423 甘々系:桐,あ,加 恋多き乙女・桐乃(Bルート):51スレ目430 せつない系:桐,あ,加 居場所:51スレ目564 甘々系:桐,京 桐乃の大冒険(ダイの大冒険パロ) :51スレ目595,597,601,606,609-611,613-614,616,618-620,624,626/小ネタ集 名探偵きりりん 『速攻解決編』 :51スレ目703/小ネタ 桐乃の大冒険:51スレ目819 替え歌ネタ:桐 52スレ目 桐乃の嫁:52スレ目50 甘々系:桐,京 神猫:52スレ目111 甘々系:桐,京,黒 自立可動式ネコミミ:52スレ目163 ipadに録音されている音声は…?:52スレ目216-218,220-222,226-227,230/小ネタ集 高坂兄妹の携帯着信音:52スレ目249,254,264,268,269-271/小ネタ集 兄貴のボトムス:52スレ目285-286/小ネタ 兄貴ときりりんの建物訪問:52スレ目357-362 聖地巡礼:桐,京 デートマスター?きりりん:52スレ目385-386,390/小ネタ集 父の日ネタ:52スレ目441,448,452-455/小ネタ集 高級リムジンの中で…:52スレ目516/小ネタ あやせのお父さん:52スレ目567/小ネタ とある結末の続き(妄想版):52スレ目716 甘々系:桐,黒,オリ 仲良し兄妹:52スレ目823/小ネタ 兄妹スキンシップSSはあやkaの武力介入により強制終了しました:52スレ目926-927 53スレ目 京介のベッドはあたしのもの:53スレ目41-42/小ネタ集 あやせに変装した桐乃が京介に出会ったら:53スレ目56,59,69/小ネタ集 桐乃に変装したあやせが京介に出会ったら:53スレ目81/小ネタ BD・DVD8巻表紙を見たあやせたんは…:53スレ目103,106,120,121,124-126,138,141,151,168,177/小ネタ集 愛の力:53スレ目216/小ネタ マタニティドレス:53スレ目288 日常系:桐,京,佳 とある日々:53スレ目331 甘々系:桐,京 ラブタッチ+:53スレ目346 ドラマCDネタ:桐,京 真のアニメ8巻ジャケ:53スレ目452 ※アニメジャケ偽造ネタ 純情純真純白乙女・桐乃:53スレ目494 ※恋多き乙女・桐乃の後日談:桐,あ,加 かなCOM:53スレ目614,615,619/小ネタ集 ついに妹に手を出したのね!:53スレ目604,618,620/小ネタ集 揉みんぐ土下座:53スレ目656,659/小ネタ集 京介ならいいよ:53スレ目662/小ネタ 時をかけるあやせ:53スレ目724-725 注※あやせの恋愛色強め:桐,京,あ 対あやせ戦闘オッズ表:53スレ目733,749/小ネタ 普通の高坂兄妹:53スレ目824 土下座ナンパ師:53スレ目849,852-855,865/小ネタ集 京介のお洒落事情:53スレ目863/小ネタ 『うへぇ』:53スレ目873,876,879,883,884,887/小ネタ集 実写映画化:53スレ目890,892/小ネタ 嫉妬×嫉妬:53スレ目895 :桐,京,あ,加 54スレ目 ヒツジは家に:54スレ目22 日常系:京,御 ヒツジが居ないなら…:54スレ目37/小ネタ シスドーの桐乃センサー(体格編):54スレ目74-79,82-83,88-90/小ネタ集 8巻ジャケtwitterの続き:54スレ目170/小ネタ※公式ツイッターネタ 姉妹がいる男性にありがちな事ランキング:54スレ目270/小ネタ ※雑誌アンケートネタ 『うへぇ』その2:54スレ目308,311/小ネタ集 婚前旅行:54スレ目321 ヒツジのことがネズミ(『ヒツジは家に』の後日談):54スレ目365 甘々系:桐,京 男女の並び順:54スレ目400,406,408,410-411,416/小ネタ集 真のアニメ8巻ジャケのAA化:54スレ目402/小ネタ ※未完成? 膝枕で耳かきあいっこ:54スレ目523 甘々系:桐,京 兄バカ日誌:54スレ目779,783-784,788/小ネタ集 本音は縦読みで:54スレ目802/小ネタ 高坂家の朝:54スレ目864 甘々系:桐,京 兄貴の背中:54スレ目889 前半切ない系 桐,京 高坂兄妹のメタモン:54スレ目953/小ネタ 55スレ目 京介がメガネフェチになった原因は?:55スレ目38/小ネタ 兄妹で妹空を観たら:55スレ目69-70 甘々系:桐,京 兄妹で妹空を観たら(別作者による続き):55スレ目114,119 甘々系:桐,京 美咲さん:55スレ目379 日常系 京,御,他 桐乃は泣き上戸?:55スレ目364,383/小ネタ集 ペロリストとくんかたんが同一ID?:55スレ目345,393/小ネタ集 修学旅行:55スレ目495-496 日常系 桐,京,あ,加,他 俺/あたし が お前/あんた にできること:55スレ目527 せつない系:桐,京 怪談:55スレ目550 ホラー系 シスコンクエスト5 天空の妹嫁:55スレ目716,718 日常系 桐,京※DQネタ 冷戦のきっかけはバハ〇ート〇グーン?:55スレ目734,735/小ネタ集 ※桐乃は展開を知っているという前提です やっぱり桐乃が一番かわいい:55スレ目920 日常系:桐,京 56スレ目 フェイトさんの合同誌:56スレ目76 甘々系:桐,京,フェ 二人の予定:56スレ目159 甘々系:桐,京 二人の予定・side桐乃:56スレ目191 甘々系:桐,京 京介の車でお出かけ:56スレ目254,271/小ネタ集 勘違い:56スレ目279 甘々系:桐,京,あ かき氷売り場にて:56スレ目393,407/小ネタ集 我輩はタコである:56スレ目455-457 日常系:桐,京,他 抱き枕カバー:56スレ目469,486,497,532 日常系:京,大 高坂桐乃で姓名診断!:56スレ目685/小ネタ ただの仲のいい兄妹:56スレ目766,774/小ネタ OPをフィグマで再現:56スレ目835,839,864,867,869,871/小ネタ集 57スレ目 節電に協力するのは立派なことだ:57スレ目120-136/小ネタ 甘々系:桐,京,大 すばらしきこのせかい:57スレ目159 日常系:桐,京,あ,加 かなかなクイズ☆:57スレ目165-168/小ネタ 他に、意味、ないから:57スレ目189-193/小ネタ集 純情きりりんの見た夢は:57スレ目228,236/小ネタ もしふさ:57スレ目307,342/小ネタ マイエンジェルむっつり説:57スレ目423,426,428-433,439-440/小ネタ 初めてのエロゲ:57スレ目576,578 しすしすは人生続き:57スレ目595 ※シスシスは人生の続き 甘々系:桐,京 変態シスコン先生 兄貴:57スレ目600/小ネタ ※地獄先生ぬ~べ~パロ設定 ビキニの日:57スレ目620 日常系:桐,京 プレゼントにネグリジェを:57スレ目690-697/小ネタ 簡単なお返事:57スレ目707 甘々系:桐,京 短冊に願いを:57スレ目817 あやせさんvsリヴァイアサン:57スレ目834-835,859,861-870,874/小ネタ 58スレ目スレタイ案まとめ:57スレ目909 多すぎだろ! まさかの大逆転!?:57スレ目971-1000/小ネタ 58スレ目 七夕の夜に…:58スレ目59 甘々系:桐,京,オリ 桐京七夕ミニAA:58スレ目75/小ネタ 二つの星にお願い事を:58スレ目91 ちょっと切ない系:桐,京 七夕の夜に幸せを:58スレ目94 甘々系:桐,京 アルタイルにお願い事を:58スレ目97 ※二つの星にお願い事をの続き :桐,京,佳 そして、二つの星にお願い事を・・・:58スレ目101 ※アルタイルにお願い事をの続き :桐,京 Q.E.D.:58スレ目165/小ネタ フィギュアの台座には:58スレ目175,183-187,190,192-195/小ネタ集 スキンシップだから:58スレ目304-305/小ネタ 思い出に残る受験勉強:58スレ目414-416 日常系:桐,京 俺妹世界の千葉都市伝説:58スレ目450,458,463-464,466,469/小ネタ集 都市伝説を追って:58スレ目484-485 日常系:桐,京 名無しさん達と都市伝説:58スレ目490/小ネタ ※都市伝説を追って関連ネタ 59スレ目 未来からの来訪者?:59スレ目43 日常系:桐,京,あ,他 特効薬:59スレ目65 甘々系:桐,京 ドゲザマスターキョウスケ:59スレ目99-100 ※打ち切り漫画風 高校の新しい友達に:59スレ目134,137-138,144,146/小ネタ集 食べて絶叫:59スレ目199,206,208-209/小ネタ集 ※Twitterネタ 英語のお勉強:59スレ目220/小ネタ 綺麗な髪に必要なもの:59スレ目404-406 甘々系:桐,京 空と妹(きりの)のあいだに:59スレ目462/小ネタ ※替え歌ネタ おい、しゃ○れよ:59スレ目632,635,639-640,644-645/小ネタ集 きりりんのお腹:59スレ目659 甘々系:桐,京,佳 ずっと二人一緒に:59スレ目761,804 日常系:桐,京 あたしのハニーボーイ:59スレ目869/小ネタ ※替え歌ネタ 60スレ目スレタイ案まとめ:59スレ目934/小ネタ 60スレ目 一番はどっち?:60スレ目201 甘々系:桐,京,オリ 京介と部屋のフィギュア:60スレ目287-290,304/小ネタ集 うへぇ要員:60スレ目648,650/小ネタ 京介と桐乃と部屋のエアコン:60スレ目669-670,672,676,681,683,685-686/小ネタ集 ※Twitterネタ 普通だよね!:60スレ目693/小ネタ 惚気の裏には・・・・・・:60スレ目739 ※60スレ目650からの妄想SS 甘々系:桐,京 涼を求めて:60スレ目734,762-763 日常系:桐,京,大,佳 見ちゃった:60スレ目879 微エロ系:桐,京,佳 61スレ目スレタイ案まとめ:60スレ目967/小ネタ
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600 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 03 52 28 ID r6ofcKXI0 [1/4] 桐乃「起きて! 朝だよ、お兄ちゃん」 京介(ああ、こりゃ夢だ……桐乃がこんなに優しいわけがない) 桐乃「起きないと……ちゅーしちゃうよ?」 京介(なんという夢……エロゲのやりすぎだ、俺) CHU! 京介「……って、オイ! 夢なのに感触があるぞぉ!?」 桐乃「もう、まだ寝ぼけてるの?」 桐乃「あ、あ、アンタ、あたしになにしてくれてんのよ!!」 桐乃「お、おちつくの、桐乃……取り敢えず、パンツを嗅いで…クンカクンカ」 京介「き、桐乃が沢山……!?!?!!?!」 ――今、世界は崩壊の危機にあるます 九つの世界に九人の桐乃が生まれました その世界が一つに収束し始めているのです 貴方は九人の桐乃と兄妹の絆を取り戻さなければなりません 京介「じょ、状況は理解した。ありがとう天の声……」 桐乃「お兄さん、どうしたの? もしかして病気?」 オデココツンン 京介「こいつもう絆できあがってね!? 何この、優しい妹!?」 桐乃「優しい? アンタ、普段あたしのことどう思ってるわけ?」 桐乃「つーか、アンタいつまで兄貴にひっついてんの? 離れなさいよ!」 桐乃「クンカクンカ」 ――その桐乃は、貴方が子供の頃からずっと構い続けて 冷戦状態を経ずに極度のブラコンとなった桐乃です 京介(説明ありがとう天の声。だけど何の解決にもなってねー!) ガチャ 桐乃「やっぱ日本最っ高! ホラ、アキバに行って あたしがアメリカに居る間に出てたエロゲを買いまくるわよ!」 桐乃「ちょ、ちょっと待ちなさいよ、アンタ! コイツはあたしと渋谷でデートする約束があんの! 引っ込んでろ!」 桐乃「は、はぁ!? デ、デートォ!? ありえない……なんでアンタ兄貴とデートしてるわけ? キモッ! 外見は超絶可愛いのに、中身キモっ!!」 桐乃「クンカクンカ…スーハースーハー…」 桐乃「あ、あたしだって別にコイツとデートしたいわけじゃないし? どーしてもって頼むからさー、デートしてやってるって感じ?」 桐乃「じゃあデートしなくてもいいんだよね? お兄ちゃん、今日はあたしとお買い物いこ?」 桐乃「人の話聞いてなかったの? コ イ ツ は あ た し と ア キ バ に行くの!」 京介「ちょ、やめっ…両手引っ張るな……大岡捌きみたいになってるっ……!」 桐乃「がるるる……」 桐乃「うー! うー!」 桐乃「くんかくんか!」 京介(と、取り敢えず、右の桐乃はアメリカ留学した桐乃で 左の桐乃はしなかった桐乃ってコトか? 答えろ、天の声!) ――真ん中のは兄パンを嗅いでるのを公認してもらった桐乃です 京介「聞いてねぇ! つーか聞きたくなかった! 見ないようにしてたのに! っていうか公認って何だ! 非公認の桐乃も居るってのか!? 桐乃「……ウザッ」 ――あれは未だに冷戦状態が続いている桐乃ね 京介「なんでちょっとフランクに話しかけてきたのぉぉ!? つーか今の関係に慣れてると地味にキツイな、アレ!」 601 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 03 53 36 ID r6ofcKXI0 [2/4] それから1人の京介と9人の桐乃との生活が始まった…… 桐乃「お兄ちゃん、今日は何食べたい?」 京介(この桐乃はホントにいい子だなぁ…) 桐乃「このアクセ欲しいんだけど、きょ、京介……」 京介(アメリカ帰りの桐乃とは、彼氏のフリをすることになったし) 桐乃「あ、兄貴…新刊の取材、一緒についてきてくんない?」 京介(ベストセラー作家の桐乃は俺は取材に引っ張り回すし) 桐乃「……昨日はありがと」 京介(冷戦状態だった桐乃とは、最近会話が増えた) 桐乃「……こんにちわ」 京介(親父と喧嘩して家出中の桐乃は、俺だけには会うようになった) 桐乃「京ー、あたしのメルルちゃんシャーペン使ってない?」 京介(なぜか桐乃が姉で俺が弟のヤツもいるし) 桐乃「兄貴、パンツ頂戴」 京介(世界の為、世界の為……) 桐乃「ねぇ、赤城さんとはどこまでいったの?(///)」 京介(瀬菜ァァァァァァァァァーーーーーー!!) 桐乃「あやせ様とお出かけしてくるね(///)」 京介(あやせェェェェェェェェェェェーーー!!) 602 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 03 55 13 ID r6ofcKXI0 [3/4] 三ヶ月後… 京介(そんな桐乃達と生活して、まあ、いつもの如く頑張ってみせたってことだ。 まあ世界の危機だからな。……嘘だよ、どうせ俺はシスコンなんだって 今回のコトで痛いほどわかったぜ。世界とか関係なしに 俺はアイツが苦しんでたり泣いたりしてるのは見たくねぇ それだけの理由で、頑張っただけだ……ケッ) ――ツンデレ乙wwwww 京介「ウゼェ! 天の声ウゼェ!! なんなのコイツ?! なんでこんなに馴れ馴れしくなってるわけ!?!」 ――まあ1クールもあれば性格も変わるでしょwこまけぇことはいいんだよww 京介「お前、それが地なの? 最初のお前はなんだったの?!」 ――ま、これが地なのは確か。でも、ありのままの自分をさらけ出して生きるなんて 今までのあたしではありえなかったし……全部アンタのせいだかんね、京介……(///) 京介「いつのまに天の声まで攻略してんだよ、俺!?」 ――このフラグメーカーめ。そんな清く正しいラブコメ主人公の京介に宣告。 ……このままでは世界は崩壊するよ? 京介「なんで?! 自分で言うのもなんだが、俺は九人の桐乃と仲良くやったつもりだ。 確かに、中には今でも俺のコトを奴隷みたく扱う桐乃もいるけどよ それでも、兄妹の絆ってヤツを確かに取り戻したって、そう思うぜ?」 ――あたしは「兄妹の絆を取り戻さなくてはならない」と言ったけどさ でも、桐乃達は京介を男として愛してしまったんだよね…… 京介「へ?」 ――残念だわ…… 桐乃『――今からあたしと、あたしの仲間たちがアンタを倒すから』 京介「き、桐乃!? 天の声は桐乃だったのか!?」 桐乃『そう、あたしは天の声(ついったー)の桐乃……』 黒猫『残念だわ、先輩……貴方はこの世界にいてはいけない存在になってしまったのね』 沙織『記憶を消して、もう一度やり直すのでござるよ』 あやせ『本当に、駄目なお兄さん……近親相姦は犯罪なのに』 加奈子『チッめんどくせーな。加奈子の手を煩わせるんじゃねーよ』 麻奈実「ごめんね? きょうちゃん』 フェイト『私が就職する未来を手に入れる為に……』 瀬菜『私のCVが発表される未来の為に……』 ブリジット『マネージャーさんをデリートします!』 リア『痛みは一瞬だからね、京介』 京介「……な、なにがなんなのかわからねぇ……催眠術とかそんなチャチなもんじゃねぇ(略 でもな、俺を消すなんて認めないぞ! 俺と九人の桐乃の時間まで消されてたまるかってんだ! アイツらは俺の妹だ! それにお前だって……俺は兄貴だからな 九人だろうと、十人だろうと、妹を幸せにしてみせる!」 桐乃『(ギリッ…)……うっさい、人の気も知らないで!! ウザい! キモい! 死ねェェエェェェェェ!!』 京介「うぉぉおおぉ!!俺は妹が大好きだぁぁぁぁぁぁぁ!!」 劇場版 オールきりりんvs大イシハラー へ続く 612 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/01/20(木) 10 34 42 ID r6ofcKXI0 [4/4] 桐乃『一万と二千回、あたしは同じ時間を繰り返したの! 兄貴と結ばれたかった……それだけの理由で だけど、あたしとアンタが結ばれる度に、世界から修正を受けた! そしてまた、アンタがあたしを無視する一日が始まるのよ……』 黒猫『所詮私達は創られた箱庭世界の駒にすぎないのよ 私達が神界(サンダーライブラリー)の想像を越えた萌力(エナジー)を発揮した…… その為に、私達は生かされ、先輩に恋をした』 瀬菜『そのお陰で私が生まれたと言っても過言ではないんですけどね』 リア『だから、髪様(ふさたん)には感謝してるよ!』 黒猫『そうよ……例え定められた運命だとしても、この気持ちに嘘はない 私達は幾つもの世界で先輩に恋をし、結ばれた……』 あやせ『そして同じ数だけ、「無かった」ことにされたんです……』 京介「よ、よくわからないけど、つまり俺妹ポータブルをやり込んでね!ってことか!?」 桐乃『でも、そんな無限の可能性(メディアミックス)もお終いなのよ 大イシハラーが侵略してきて、世界全体を支配してしまったから! だからあたしは兄妹でいい……兄貴とは兄妹でいいんだって そう、諦めて世界の守護者になったのに…… なのに! どうしてアンタは! どうしてあたしは!! 何度やっても好きになっちゃうのよ! 大好きになっちゃうのよ!!』 京介「桐乃……」 桐乃『……だからまたやり直す。ちゃんと兄として好きになれるあたしが生まれるまで もう時間はないケド、それでも最後の時までこの世界を諦めない』 京介「違う……違うだろ、桐乃!! お前の「諦めない」はそんなコトに使う言葉じゃない筈だ! 表の自分も、オタクの自分も、両方諦めないって言ったお前はドコに行ったんだよ! それがお前だろ! 例え、何人居たって、自分の願いを決して諦めない その為にガムシャラになって努力すんのが、お前じゃねえか! 九人いようと、十人いようと、それだけは変わらない、高坂桐乃を形作るもんだろ! そうじゃないお前なんて認めねぇ!!」 桐乃『あ、兄貴…』 京介「そんなお前だから、俺は助けようって思ったんだ 桐乃、お前はどうしたいんだよ……お前が本当に諦めたくないことを言ってみろよ ……俺がソイツを全力で支えてやるから」 「姉様、おやつはどこですか?」 いつもの棚に入っているわ 「また小説書いてるの、お姉ちゃん」 ふ……冥道から創成力が私の頭脳に降り注いできてしまったのよ 仕方ないわ。私はこの力を浴びていないと現界にその肉体を留めておくことはできないのだから…… 「ハイハイ…」 -------------
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851 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2012/05/26(土) 00 57 59.67 ID kPYdpkWF0 「ほしくずういっちめるる~はっじまっるよ~~~~」 テレビの画面では、子供向けアニメのオープニングが流れている。 本当はあんまり好きじゃない。 だって、あたしが物心付いた頃から、何度も何度もしつこい位に見せられてるんだもん・・・ 今だってそう。 お母さんが、あしたまでの宿題とか無理言って・・・ あたしだって、色々やりたい事があるってのに・・・ それに、お父さんも無理矢理勧めてくる。正直マジうざい。 つーか、そもそもあの親、子供たちの前でイチャイチャしすぎ! 確かにさ、二人は言葉に出来ないくらい凄い恋愛で結ばれて、 やっとお互い素直になれたとかいってたケドさ・・・ でも、毎日毎日あんなにしてなくたっていいのにさ・・・ 「メ、メルちゃん、ど、どうする!?」 「大丈夫っ!魔法の力でなんでも解決だよっ!」 画面では、恥ずかしい服を着た少女が、無茶苦茶なことを言っている。 こんなんだから、子供向けアニメは嫌いなんだ・・・ つまんない、つーか、マジ眠い・・・ 「それじゃあ、優乃ちゃんっ!いったい何をお望みかなっ?」 ・・・・・・・・・はぁ!? 慌てて飛び起きると、なぜか目の前にメルルがいた。 つーか、マジワケわかんないんですケド!? 「ふむ、よくわかったよ!」 「何も言ってないしっ!?」 「それじゃ、いっくよーーー」 「ちょ、ちょっと・・・!?」 気が付けば、あたしの手足はピンク色の紐みたいなので縛られて、身動きが取れなくなっていた。 「いっけーーーーーー」 そうだ、この後って・・・ いつも敵役が、極太レーザーで消滅するんだっけ・・・ 「めてお☆いんぱくとーーー!」 あたしは、ピンク色の光に包まれ、そして・・・・・・・・・ 「あっ、あいたっ」 いきなり尻餅をついてしまった。 いったい何が起こったのかわかんないまま、周りを見渡してみる。 「・・・あたしの・・・部屋?」 ふぅ、と一息つく。 あんな夢を見てしまうなんて、あたしも大概どうかしてる―――と 「えっ・・・?」 よく、周りを見渡すと、明らかに何かがおかしい。 たしかに、あたしの部屋と同じように見えるけど・・・ 「でも、メルルぐっずの山が無い・・・」 つーか、やけにスッキリとした自分の部屋に、あたしは戸惑ってしまう。 メルルフィギュアも、メルルのポスターも、メルルの抱き枕も無い。 「あたしが無意識のうちに片付けたとか・・・ないか」 自分で突っ込んで虚しくなる。 それでも、ここがあたしの部屋である事を確かめるため、あたしは部屋中のものを探してみる。 机の上のノート、教科書、それに鞄、etc・・・ 全部に共通してある名前が書いてあった。私のじゃ、無い。 『高坂桐乃』 あたしのお母さんの名前だ。 「あたし、もしかして、過去の世界に来ちゃったとか・・・」 メルルの魔法に飛ばされて、過去の世界にきちゃった・・・? あまりにも突拍子もない設定。アニメだってもうちょっとマシな事考えるはずだ。 あたしは、ここが自分の部屋だと、自分の世界だと証明するために、さらに部屋の中を探してみる。 そうだ!あの隠し扉の中に、あたしのアルバムとか隠してたはず・・・ 早速、棚の本を脇に寄せ、隠されているふすまを開ける。 「なっ、なによっ、これェ!」 つい、叫んでしまっていた。 だって、しょうがない。 隠し扉の中は、まさにカオスだったのだ。 まず、メルルグッズ。あたしの部屋に飾られていたものが、狭い収納の中に所狭しと並べられている。 そして、多数のアニメDVD。なぜか分からないけど、殆ど全部見た事がある。 そ、そして・・・え、エロゲーっていうんだよね?こういうの? パッケージにでかでかと描かれた少女たちの痴態・・・ こんなもの見て叫ばない方がどうかしてる。 あたしが、『それ』らを見て固まっていたとき、突然部屋のドアが開いた。 「どうしたっ!桐乃っ!」 振り向けば、髪の黒い涼介がいた。 いや、ちょっと違うかな? どちらかと言えばお父さんを若くしたような・・・ 「えっ?あっ、だ、誰だ?桐乃・・・の友達?」 「つーか、あんた、誰?」 『黒い涼介』は、妙に慌ててる。なんかカワイイかも・・・ というか、やっぱり『桐乃』って言った。 ここ、本当にお母さんの部屋、なのかな? 「ただいまー、ってあんたなにやってんの?てか、それ、誰?」 そして、続いて現れたのは・・・お母さんだ。間違いない。 でも、とっても若い。あたしと同じ、中学生の服を着ている。 「い、いや、桐乃。お友達・・・じゃねーのか?」 「・・・いや、知らないんだけど?」 なんか、お母さんマジ切れモード? このままじゃやばいんで、とりあえず一言。 「あ、あのっ、あたしこっ・・・えと、ちとせって言います」 危ない危ない。 もし、この人が本当にあたしのお母さんだったら、あたしの正体が知られたら不味い事になる。 たしか、映画でもそんな事言ってたはずだ。 「え、えっと・・・ちとせちゃん?はじめまして」 えーと、ど、どういう設定にしようかなっ? 「そ、そのっ、なんか、目の前が白くなって、気が付いたらここにいて・・・」 「記憶喪失?ファンタジー?なに、それ!なんか萌えてくるんですケド!」 やっぱ、お母さんだ。この感じ。 それにしても、この男の人は誰だろう。 涼介に似てるって事は、お母さんのお兄さんなのかな? 「まあ、とにかくあれだ。落ち着いて話でも聞いてみようじゃないか」 「・・・分かった。でも、ちょっと可愛い子だからってあんた鼻の下伸ばしすぎ。 つーか、こんなときばっか兄貴風吹かせて、自分をアピールするとかマジサイテー」 ああ、やっぱり、お兄さんなんだ。 お母さんにお兄さんが居たなんて初耳。 お母さんの事を知ることができて、なんかちょっと嬉しい感じ。 でも、なんかちょっと情けないお兄さんかも? 「えっと、ちとせちゃんもそれでいいよな?」 「いいです。つーか、初対面でちゃん付けとかキモいんですけど」 「・・・・・・・・・」 あ、またやっちゃった・・・ なんでかな?ついついお父さんに反抗してるような気分。 「えっと、覚えてるところだけなんですけど」 「ああ」 「あたし、家でアニメ見てたんです。ほしくずなんとかっていうタイt―――」 「メルルっ!?ちとせちゃんメルルみてたんだっ!?ねっ、面白いよねっ!!!」 あー、しまった、タイトルは隠せばよかった。 「おい、落ち着け桐乃。そんなんじゃ、話も聞けないだろ?」 「えっと・・・ありがとうございます」 なるほど、暴走するお母さんを止めるのがこのお兄さんのお仕事か。 で、そのお兄さんが居なくなった現状ではあの有様と・・・ その上、同じようにメルル趣味のお父さんと結婚なんかしちゃって・・・ それにしても、暴走を止められたお母さんは不満そう。 ・・・というか、すごく面白く無さそう。 「で、見てる間に急に眠くなっちゃって」 「はぁ!?メルル面白いじゃん!!!眠くなる事なんかないって!!!」 「待て、だからお前はもうちょっと落ち着け!」 「あー、あたし、子供の頃から親に見せ続けられて、さすがにもう飽きてきました」 「よく分かるぜ、その気持ち。俺もこいつに何度見せられたか・・・」 「・・・・・・・・・」 あ、やばっ、お母さん、超面白く無さそう・・・ ここは、ちょっと話題変えようか? 「え、えっと、おか・・・桐乃・・・さん」 「・・・何よ」 「なんで、桐乃、さんって、そんなにメルルが好きなんですか?」 「お、おいっ!」 わかってるよ、お兄さん。 これ聞いちゃうと、お母さん止まらないって・・・ 「いやーよく聞いてくれたっ!」 さっそく上機嫌のお母さん。 自分の母ながら、マジ恥ずかしいです・・・ 「まずねー、この変身シーンマジかわいいよね!メルちゃんの肌が露出していく様とかもうエロいっていうかかわいいって言うか つーかこの構図!この構図でぬるぬる動くあたりがもうね!あたしの琴線に触れすぎって言うかーあ、でもこっちのシーンも ―――(長文略)――― ということなのっ!分かった?」 「・・・とても、よく・・・」 まあ、あたしはいつもの事なので、大した事ないんだけど・・・ 「それと、ね」 突然、お母さんの声が変わる。 さっきまでのはしゃいでた声じゃなくて、何かとても愛おしいものを前にしているような・・・ 「この趣味があったから、あたしと京介は、また本当の兄妹になれたんだ・・・」 えっ、『京介』?・・・お父さんの、名前・・・? そう言えば、あたしはとてもおかしな事があった事にようやく気が付いた。 まず、お母さんの苗字。結婚前の姓も『高坂』だ。結婚後も『高坂』・・・ それに、桐乃さんのお兄さん。あたしのはじめの印象も、あたしのお父さんにそっくりって・・・ も、もしかして、このお兄さんが、あたしのお父さん? で、でも、お母さんのお兄さんって・・・??? 「あ、あたし、いきなり何話してるのかな!?」 「あっ、すごく面白い話なので、もうちょっと聞いていたいです」 「う、うん・・・あたしと京介ってね、ずっと昔はとっても仲がよくって、 でも、一年くらい前まで、とっても仲が悪くって・・・ それでも、あたしの趣味がきっかけで、ようやく前と同じくらい仲がよくなって・・・」 よく見ると、お母さん、少し目が潤んでる・・・ それに『京介』だなんて、自慢の彼氏のことを喋ってるみたい・・・ やっぱりお母さんは、お母さんのお兄さんが好きで好きで好きで、 それで、結局二人は結婚して・・・それで、あたしが生まれたんだ・・・ 「な、なあ、桐乃。なんか恥ずかしいし、それくらいにしようぜ?」 「うっさい!あんたは黙ってて。それでね―――」 お母さんは、話し続ける。 メルルのDVDケースの話、エロゲーの話、留学の話・・・ よく見ると、お兄さん・・・ううん、お父さんも、少し目が潤んでる。 お互いが、お互いに愛されている事を、よく知っている・・・ でも、まだ二人には壁がある。 乗り越えなければいけない、最後の壁。 だから、あたしはちょっとだけ、二人の背中を押してみる。 「えっと、それから―――」 「ねっ、桐乃さん」 耳元に口を寄せ、そっと囁く。 「桐乃さん。京介さんに愛されてるから、もっと素直に、ね」 「なっ、なっ、なっ!?なにを―――」 今度はお父さんに! 「京介さん。桐乃さんもあなたのこと大好きなんだから、一生大事にしてあげてね」 「はっ!?まっ、待てっ!いったいなん―――」 二人に言葉を告げた瞬間、あたしの目の前はピンク色の光に包まれる。 ふと目に入った腕時計を見て納得する。メルルの決め技の時間だったよね。 そして、あたしは自分の部屋に帰ってきた。 メルル1色に染め上げられた、あたしの部屋。 テレビ画面では、メルルのエンディングテーマが流れている。 あたしは、階下に駆け下り、こう言うのだった。 「お父さん、お母さん。次は一緒にメルル見よっ♪」 End. ----------
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追加行動集 ランジョンで潜っていくとある階層から一部の敵の行動パターンが追加されます。 ここではそれらを紹介します。 モンスター名 技名(独自) 備考 危険度 確認出来たエリア ザコ系 ラインボム ザコの前に直線上に爆弾を数個並べ、即順に爆破していく。威力はかなり高く、爆発も早いため、死に繋がることが多い。 10 ほのお(?)のエリア・ばくはつのエリア ムースジュン(赤のみ確認) ファイア 攻撃モーションの際武器を振る直前のまま固まっていた際に使う技。威力は低めor剣と同じ。 3 ほのお(?)のエリア バクハボーイ系 - 爆弾を置いて逃げてる時にたまにもう一つ爆弾をブルーレットのように置くだけ。 - ばくはつのエリア ドロボウネコ系 分身引っかき ドロボウネコが攻撃した後ドロボウネコの分身と思われる物が上下左右からそれぞれ本体の前に向かって移動しつつ引っかく。手数によりまっぱの状態異常になりやすいので舐めてると痛い目に合う。 7 トロピカルのエリア メダマノムスコ系 ? 突然キューンという音と共に青黒く光る。効果は恐らくサーチ。使うとほぼ確実に見つかる。 ? よろいのエリア イヤシー系 ? たまに移動しながら他のモンスターを回復させるだけ。 ? おなごのエリア もっとあるよ!って方はどんどん編集して追加してください。
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掲載順 SS 一覧 21~30スレ 21スレ目 初夢:21スレ目43/小ネタ 姫始め:21スレ目63-64,105 甘々系:桐,京 将来像:21スレ目198/小ネタ 子守:21スレ目227,229 日常系:桐,京,黒 子守 その2:21スレ目249/小ネタ 高坂兄妹の帰還 KOUSAKA - BACK TO THE EARTH:21スレ目277,279,305 日常系:桐,京 英語禁止ボーリング:21スレ目287,290 甘々系:桐,京 新春餅つき大会:21スレ目323,325/小ネタ 腋:21スレ目331,336/小ネタ エロゲ実名プレイ:21スレ目376 日常系:桐,京 思い出のプリクラ:21スレ目699,701,703,707 甘々系:桐,京,オリ もし京介が桐乃を口説いたら:21スレ目756 日常系:桐,京 悩む兄:21スレ目767,778/小ネタ ある日の兄妹会話:21スレ目804 切ない系:桐,京 兄妹夫婦:21スレ目821 甘々系:桐,京 22スレ目 豊胸マッサージ:22スレ目23-24 微エロ系:桐,京 アニメ9話桐乃視点+:22スレ目39-41,43-45 アニメ補完系:桐,京 高坂・D・京介:22スレ目51,55/小ネタ わたしの兄貴がこんなに鈍感なわけがない!:22スレ目62/小ネタ わたしとあいつ:22スレ目110 日常系:桐,京,黒,沙 アニメ12話おにパン両視点:22スレ目128 アニメ補完系:桐,京 夫婦喧嘩:22スレ目171,172 日常系:桐,京,黒,沙 好きな人:22スレ目213-214 微甘系:桐,京 寝言:22スレ目237/小ネタ ブラコンなんかじゃない:22スレ目254-256,432 挿絵付き 微甘系:桐,京,麻 黒歴史製造器:22スレ目273 日常系:桐,京 もっと強くっ:22スレ目280 くんか系:桐,京 きりりん@あいつが家に女連れ込んでるんだけど:22スレ目372 日常系:桐,黒,沙 結婚式はまだですか?:22スレ目384,398/小ネタ アタシの手料理:22スレ目398/小ネタ 名前はどうする?:22スレ目428 修羅場系:桐,京,大 もしも、スイーツショップにいたのがあやせだったら:22スレ目437-441 甘々系:桐,京,黒,沙,あ リドル:22スレ目453 日常系:桐,京,黒 儚:22スレ目474 日常系:桐,京 もしも桐乃がデレたら:22スレ目497/小ネタ 婚活:22スレ目557/小ネタ勘違い系:桐京:1.8KB 口封じ:22スレ目676/小ネタ 島流し:22スレ目677/小ネタ 俺の妹の手料理がこんなに○○なわけがない(SIDE:京介):22スレ目682+あぷろだ 日常系:桐,京,麻 俺の妹の手料理がこんなに○○なわけがない(SIDE:桐乃):あぷろだ (投稿は23スレ目75)切ない系:桐,佳 理由:22スレ目707/小ネタ 共同作業:22スレ目710/小ネタ 待人:22スレ目872 日常系:京,麻,黒 毎日なんか、してないっ!!!:22スレ目890,892 くんか系:桐,黒,沙 二人の謳:22スレ目902-903 ポエム系 23スレ目 ○パンくわえて:23スレ目10/小ネタ マフラー:23スレ目23-24 微甘系:桐,京,佳 俺は変態だ:23スレ目31/小ネタ ブラ婚願望:23スレ目35/小ネタ コタツ:23スレ目48/小ネタ 婚姻届:23スレ目16,105 挿絵付き ループ系:桐,京 舌におくすり:23スレ目204 微エロ系:桐,京 新垣姉弟:23スレ目205,210/小ネタ 俺勉強、妹エロゲ、友道連れ:23スレ目218 日常系:桐,京,黒 ○○○○のパンツ:23スレ目222/小ネタ 親父の人生相談:23スレ目230/小ネタ 枕カバー:23スレ目238-240 クンカ系:桐,京 私のおかず:23スレ目248/小ネタ 小さなあたし:23スレ目269-271,287 日常系:桐,京 プリクラあやせ視点:23スレ目286/小ネタ 俺の妹のくんかくんかが有頂天でくんかくんか:23スレ目348 クンカ系:桐,京,佳 日記帳:23スレ目363 日常系:桐,京 兄パンアルバム:23スレ目416/小ネタ HAPPY?DREAM:23スレ目439-440 クンカ系:桐,京,黒,沙 家族ごっこ:23スレ目526-527 無神系:桐,京,黒,沙 伊達眼鏡:23スレ目534/小ネタ ラストオーダー:23スレ目555,559/小ネタ あたしの京介が兄貴のおにいちゃん:23スレ目584,614/小ネタ 京介の電話帳:23スレ目624-626 日常系:桐,京,黒,あ 続きwktk:23スレ目638/小ネタ 罰ゲーム:23スレ目639 日常系:桐,京,黒,沙 いつか必ず:23スレ目646 微甘系:桐 8巻妄想SS:23スレ目664 原作IFもの:桐,京,黒,沙,あ 京介への手紙:23スレ目681 甘々系:桐,京 エイプリルフール:23スレ目701/小ネタ キョウスケ:23スレ目708 日常系:桐,京 新垣あやせ。15歳の悩み:23スレ目780 挿絵付き(挿絵は24スレより)くんか系:桐,あ パンツ=ウッヒッヒ=ルーデル(VIP兄パンスレ/板 その6):23スレ目788,796 寒い日の過ごし方:23スレ目801 切ない系:桐,京 兄妹コンビ:23スレ目816 クンカ系:桐,黒 エイプリルフール?:23スレ目816 日常系:桐,京 生パンplz:23スレ目921 クンカ系:桐,京 嘘から出た実:23スレ目933-935 甘々系:桐,京 ベッド潜入作戦:23スレ目928,929,941 ※レスネタ うっかり系:桐,京 24(ふし):23スレ目959/小ネタ 24スレ目 加奈子の追求:24スレ目13 微クンカ系:桐,あ,加 怪盗きりりん:24スレ目17 日常系:桐,京 俺の妹がドラゴンボールなわけがない:24スレ目95,155,157 日常系:桐,京 喧嘩するほど:24スレ目162,166.171 日常系:桐,京,佳 宅妹テロ:24スレ目186/小ネタ くんかの気持ち:24スレ目235/小ネタ 贈り物はなんですか?:24スレ目278,280-281 日常系:桐,京 タテマエとホンネ:24スレ目345 日常系:桐,京 下着対決:24スレ目363 クンカ系:桐,京,黒 きりりんうさぎのねがいごと:24スレ目414 切ない系:桐,京 バレンタイン(再):24スレ目421-422 甘々系:桐,京,大 5巻 桐乃視点SS:24スレ目522 切なクンカ系:桐,リ アニメと原作と:24スレ目573,576 メタネタ系:桐 オールきりりんvs大イシハラー:24スレ目600-602,612 パラレル系:桐,京,黒,珠 兄 婚 完 成:24スレ目637-638 キリノベイン:24スレ目659 そのままの君が好き:24スレ目677-678 日常系:桐,京 家出ガールきりりん:24スレ目702-703 シスコーン:24スレ目777/小ネタ 未来予想図:24スレ目780 甘々系:桐,京 宝くじ:24スレ目854 日常系:桐,京 エロ動画ハンター再び:24スレ目927 日常系:桐,京 おしおきっ:24スレ目945 微エロ系:桐,京 25スレ目 秋葉原の追憶 ちびきりりん編:25スレ目17 過去回想系:桐,京 本当の気持ち:25スレ目170,172-173 原作補クンカ系:桐,京 ゆびきり:25スレ目194 微甘系:桐,京,オリ におい:25スレ目196/小ネタ パンツコレクション:25スレ目263 クンカ系:桐 1巻4章 桐乃視点:25スレ目276-277 原作補完系:桐,京,大,佳 く○○賞:25スレ目284 日常系:桐,京,黒,沙 写真屋さんでお化粧を:25スレ目331/小ネタ うる星きりりん:25スレ目344,345,438/小ネタ 挿絵付き 恵方巻:25スレ目435 日常系:桐,京 蜜柑:25スレ目446-449 微エロ系:桐,京,佳 お兄ぃのパンツ:25スレ目460 日常系:桐,京,黒,沙 別離:25スレ目595/小ネタ ※切ないお話 ※ネタバレ注意※:25スレ目596 切ない系:桐,京 ベッドの中で:25スレ目724 微甘系:桐,京 ツンケン…?:25スレ目739 日常系:桐,京 クンカテーション~恋の未確認~:25スレ目781,786,816,821/小ネタ 嗅ぐ人、嗅がれる人(京都編):25スレ目790,791,792,793,794,795,796,797/小ネタ集 予行演習:25スレ目912 微甘系:桐,京 26スレ目 「注文は?「コーヒーをブラックで」:26スレ目58-59 甘々系:桐,京,大,佳 Garden(8巻妄想):26スレ目75 甘々系:桐,京,黒 あやせ相談所:26スレ目75 クンカ系:桐,京,あ,浩 兄妹関係:26スレ目186 日常系:桐,京 一緒にお風呂(俺妹P特典小説ネタ):26スレ目238,239,240,242,488/小ネタ集 挿絵付き 8巻予想(願望):26スレ目328/小ネタ 俺妹P番外 桐乃編/友情の赤城編:26スレ目374 ホラー?系:桐,京,浩 パン茶:26スレ目445/小ネタ スレ住民きりりん:26スレ目472 甘々系:桐,京 うまく吹けない笛:26スレ目521 日常系:桐,京 おにいちゃんのたいそう服:26スレ目543,555/小ネタ集 ぱんつくる:26スレ目549,556/小ネタ集 運動会のヒトコマ:26スレ目562/小ネタ 借り物競争:26スレ目565/小ネタ 二人の過去(妄想):26スレ目572,580 kiririnさんの恋愛運占い:26スレ目639/小ネタ べっ…別に(ry:26スレ目674,681/小ネタ集 豆まき拝見:26スレ目689 ※子供化 過去話 日常系:桐,京,大,佳 桐乃1人称でY:26スレ目707,709,723/小ネタ集 第一巻4章親父視点(過去捏造):26スレ目714,716 原作補完系:京,大 サプライズ×サプライズ:26スレ目737 ウェディング系:桐,京,沙,あ ウエディングドレスとバズーカ砲:26スレ目738 ウェディング系:桐,京,黒,沙,あ,浩 恋の泉に落としたのは・・・:26スレ目825,829,830,852,856,858/小ネタ集 挿絵付き(挿絵は27スレより) くんかぅぅうううわぁあああああん:26スレ目874/小ネタ 自転車二人乗り:26スレ目894,922,963 挿絵付き 甘々系:桐,京 MAXコーヒー砂糖増し:26スレ目935/小ネタ 27スレ目 クラスチェンジ:27スレ目22/小ネタ にいづま:27スレ目38/小ネタ 妹コントローラー:27スレ目88 まさかの超展開:27スレ目116/小ネタ バレンタイン小ネタ:27スレ目188 迷信を信じますか?:27スレ目212 魔砲少女りりかるきりの:27スレ目222,237/小ネタ集 挿絵付き きりんときりりん:27スレ目247/小ネタ レベルxx:27スレ目260/小ネタ 桐乃はずっと、お兄ちゃんを想っている:27スレ目347 兄の垢:27スレ目480,482,484,487,497/小ネタ集 小さな約束:27スレ目534/小ネタ もうひとつの明日:27スレ目668,680,720 挿絵付き ※若干BADEND風 弁当二折 箸一膳:27スレ目688,720 挿絵付き 母子の日常:27スレ目819 あまりもの?:27スレ目816,824,830/小ネタ集 妻と娘:27スレ目828 想像○○:27スレ目859 28スレ目 兄貴ぃぃうううわぁあああああん:28スレ目13/小ネタ 星くずうぃっち メルル-探偵編:28スレ目37,49/小ネタ アニメディア販促妄想:28スレ目143 メタネタ系:桐,京 アツアツバレンタイン:28スレ目146 甘々系:桐,京 おるすばん:28スレ目262 日常?系:桐,京,大,佳 あたしがいちばん:28スレ目272 ※子供化 日常系:桐,京,佳 愛しい日々よ:28スレ目318,435 挿絵付き 長編 シリアス系:桐,京,佳,黒,あ 脚線美:28スレ目383/小ネタ もし俺妹の京介が「バレンタイン大作戦」を読んだら:28スレ目431 メタネタ系:桐,京,オリ ヤンデレエンジェルあやせたん:28スレ目434 日常系:桐,あ ばれんたいんねた:28スレ目461-462,464-465 甘々系:桐,京 感染症:28スレ目471 勘違い系:桐,京,黒,沙 仮面舞踏会:28スレ目549,562/小ネタ集 Kirino’s English Lesson:28スレ目565 勘違い系:桐.京 12話if:28スレ目598 切ない系:桐,京 なかよくけんかしな:28スレ目635/小ネタ チョコに盛ったのは…:28スレ目646/小ネタ 複雑な2月14日の事情:28スレ目647 甘々系:桐,京,黒,沙 Valentine Bride:28スレ目626,627,651 甘々系:桐,京,佳,麻,黒,あ 二人のバレンタイン:28スレ目654 ※未来妄想 甘々系:桐,京,オリ バレンタインギフト:28スレ目655 日常系:桐,京,リ 劇的ビフォーアフター(夜編):28スレ目662-663 日常系:桐,京 あたしの兄貴がこんなにやさしいわけがない:28スレ目686/小ネタ 70年後も愛してる:28スレ目711/小ネタ とある2月13日の出来事:28スレ目738 微甘系:桐,京,黒,沙 正しいパンツの嗅ぎ方:28スレ目804,805,809 ※未来妄想 クンカ系:桐,京,オリ あやせ先生の料理教室:28スレ目825,826,830/小ネタ集 29スレ目 くんかスレ記念:29スレ目23 桐乃視点オーディオコメンタリー:29スレ目49/小ネタ K5(高坂桐乃クンカ症候群):29スレ目50 俺の妹がバカで困る:29スレ目59,107 挿絵付き 喧嘩の原因は:29スレ目80,84-85, 高坂桐乃クンカ症候群:29スレ目89,98,103,120 俺は妹がこんなにも愛しい:29スレ目231/小ネタ Mr.コンテスト:29スレ目251 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 義理エンド:29スレ目257/小ネタ 職場体験:29スレ目282 酒と本音と:29スレ目492-493 名前:29スレ目499/小ネタ カップル割引:29スレ目522,942/突発ネタ 挿絵付き:イチャラブ:桐京:4.8KB 二人の時間:29スレ目552 美味しい料理の作り方:29スレ目611 あたしの兄貴がバカで困る:29スレ目621 29スレ目59の続編 第7話続き:29スレ目665-666 家族との日々:29スレ目672 兄と桐乃:あぷろだ/俺妹Pネタ (投稿は29スレ目672が代理) アメリカでの真剣勝負:29スレ目723 挿絵付き(挿絵は39スレより) 加奈子のSS―あやせと一緒:29スレ目736 耳掻き:29スレ目749 ※微エロ? もしもあやせが桐乃スレにSSを投下したら:29スレ目755 新垣あやせの陰謀:29スレ目909 疑惑:29スレ目929 あの日あの時:29スレ目931 妹は大天使:29スレ目948 娘が遠くに…:29スレ目990/小ネタ 30スレ目 乙女座の黒い翼(ブラック・ウイング):30スレ目47,60,119/小ネタ集 スレ民達の裏方仕事:30スレ目62,67/小ネタ集 素直になれなくて:30スレ目68/ポップアップネタ 5巻アナザー:30スレ目77 あやせの下校風景:30スレ目166 第12話true route続き:30スレ目216 ポエム:30スレ目221 水鉄砲:30スレ目256/新OP写真ネタ 赤城兄妹の会話:30スレ目338 桐乃 機内にて:30スレ目377/くんか 4巻288pで語られなかった事:30スレ目521 「あたしの兄貴がこんなにカッコいいわけがないポータブル」:30スレ目528/小ネタ お勉強教えて:30スレ目583,599,623/小ネタ集 挿絵付き ある朝の光景:30スレ目600,602 目覚まし桐乃:30スレ目638/新OP写真ネタ 仲直り:30スレ目709 おにいちゃん、だいすけ!!:30スレ目770,771,772,773,777,778,779/本名ネタ(小ネタ集) 鬼柳京介:30スレ目774/小ネタ ファーストキス:30スレ目852/小ネタ 第7話 if route:30スレ目898 ※ほとんどR18注意 if・とある京都面妖編:30スレ目969/小ネタ 練習:30スレ目988-989
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723 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/21(月) 23 45 24.56 ID zIAYRDsmP [3/4] 「……あたし、いまからちょっと行くトコあるから」 そう行って、あたしは兄貴を残して部屋を出た。 向かうところは決まっている。アメリカに来てから幾度となくかよった場所だ。 心は決まった。あのバカ。あたしの気持ちも知らずに、勝手なことばっかり言って――! なーにが寂しいよ。な〜〜にが死ぬかもしれないよ。大げさだっての。 ――ほんっとに、バカ… そんなやつの言葉で腹が決まってしまったあたしもあたしかもだケド。 さっきまでの気だるい感じはない。むしろ、こっちに来てから一番足が軽く感じる。 足が前へ進む。今にも駆け出してしまいそうなほどに。 自分が好きなことを目一杯出来た。それが一番大きいんだろうと思う。 あいつと過ごす時間。それがこれほど大切で、あたしの活力になってるなんて、思わなかった。 それに……あいつと話して、思い出せたこともあった。なんでこんな大切なことを忘れてたんだろう。 あたしをあたしたらしめているもの。それを忘れていた。 あたしはかつてあいつに言った。表のあたしと裏のあたし、両方があってのあたしなのだと。 そう、あたしはいつだって全部を担いで――あいつに少しだけ、支えてもらいながら――ここまできたのだ。 捨てる必要なんてなかった。切り離す必要なんてなかったんだ。 今ならわかる。自分が、いかにバカなことをしていたのか。あたしに力をくれていたものがなんだったのか。 お母さんのカレーが食べたい。お父さんの声が聞きたい。あやせや加奈子の顔が見たい。黒猫や沙織と秋葉をまわりたい。目一杯エロゲをしながら可愛い妹ちゃんたちを愛でたい! そしてなにより――あいつの傍にいたいのだ。あたしに誰よりも力をくれるあいつの傍に。 けれどその前に、けじめは、つけないといけない。 『コーチ』 『ん?キリノ?どうしたんだ、今日は休んでろといったはずだが』 コーチがこっち見やる。厳しい人だったが、色々お世話になった。これから言うべきことが少しだけ心苦しい。 それでもあたしは決めたから。だからそれを伝えないといけない。 『お話があります』 『話? ……わかった、聞こう。今すぐのほうがいいかね?』 あたしの真剣な表情に気付いてくれたのか、コーチは思ったよりすんなりと話を聞いてくれるようだった。 『いえ、お時間があるときで構いません。あと、それとは別に、一つお願いがあります』 『……言ってみたまえ』 おそらく、あたしは凄く無謀なことをしようとしているんだろう。 でも、これだけはやっておきたかったのだ。それがどういう結果を生もうとも。 『リアと、勝負をさせてください。1対1で』 『リアと? ……それは今、キリノにとって必要なことなのかね?』 『はい』 そう、これこそがあたしにとってのけじめ。 ルームメイトで、あたしにとっては妹も同然の子で、そして多分、世界で一番早いであろう小学生。 リアとの真剣勝負。これだけは、どうしてもやっておきたかった。 コーチは少しだけ考えるように目を瞑って、そしてグラウンドの向こうに向かって叫んだ 『リア! トレーニングは一時中断だ! こっちに来い!』 『ハイ!』 遠くからハキハキとした声が聞こえたかと思うとタタタタとリアが走ってくる。 『あ! キリノ! なんでここにいるの? 帰ったんじゃなかったの? 体は大丈夫なの?』 『うん、大丈夫。心配した?』 『ううん! 全然!』 『こ、このガキ……』 うん、そうだった。リアはこういう子だったよね。さっきまで兄貴といたせいですっかり忘れてた。 『リア、今から100m走をする。キリノと二人でだ。いけるか?』 『え? キリノと?』 『そうだ』 リアは訳がわからないといった顔をしていた。 それはそうかもね。急にこんなこと言われたら、あたしもそういう反応しそうだし。 リアが不思議そうな顔をしてこっちをみた。 『キリノ?』 『うん。お願いリア、あたしと、1対1の、真剣勝負をして欲しいの』 『ふーん。キリノじゃリアに勝てないよ? それでもやるの?』 『やる』 『へぇー…うん! いいよ、やろうキリノ!』 リアのその言葉で、あたし達の勝負は決まった。 軽くウォーミングアップをすませ、体調を計る。 さっきも思ってた通り、今までに無く体が軽い。これなら、いける――! 『準備はいいか?』 『はい!』 『うん!』 コーチの声にあたしとリアは並んでスタートの構えをとる。 適度に力を抜きつつ、でも気を緩めずに。力を足に溜め込む。爆発させるその一瞬のために。 チラリと隣を見れば、楽しそうに、けれどどこか獲物を狩る獰猛な獣のような目をしたリアと目があった。 ――負けないよ? ――あたしだって! スッとコーチの腕が上がる。そして―― バンッ! 飛び出したのはほぼ同時。スタートは間違いなく最高の形で取れた、なのに。 一歩、二歩、三歩、四歩。たった、たったそれだけの間で差が開く。 どこまでも恵まれたバネ。恐ろしいまでの加速力。初めてこれと相対したとき、これが世界かと絶望した。 届かない才能。手を伸ばしたところで絶対に手に入らない神に与えられた絶対的なモノ。 ――それがどうした!! 少し前までの、さっきの兄貴に会うまでのあたしなら、口では、心では負けるものかと思ってても、深いところで諦めていた。 そして勘違いした。何かを捨てればいいのだと。大事なものを捨てて、それ一つだけをかかえていけばいいのだと。 決意と責任だけが先走って、大切なことを忘れていた。 けど今は違う。何かを捨てれば確かに軽くなるかもしれない。空を飛ぶように、速くなるかもしれない。 だけどそれはあたしじゃない。あたしはいつだって、これまでの自分を全部背負って、担いで、地に足をつけてここまできた! それこそが、あたし、高坂桐乃だ。もうあたしは、あたしを見失わない!! お父さんとお母さんの顔が頭をよぎる。 グンッと前に体が出る あやせの、加奈子の、黒猫と沙織の顔が次々とあたしの頭を駆け巡る 足は力強く地を蹴ってあたしを前へと推し進めていく 『おまえはもう、頑張らなくてもいい。凄くなくてもいい。俺のことが嫌いでもいい。周りの目なんか気にすんなって。 こんなに一生懸命やってるおまえに、文句を垂れるようなやつがいたら、俺がぶっ飛ばしてやるからさ』 そして、あの――なバカの顔が、声が、あたしの背中を押してくれる―! 離れていた背中が近くなる。距離はもうそれほど残ってない。でも…! これが、あたしの出せる全力だ――! そして…… 『どうしても帰るの?キリノ』 『うん。もう決めたから』 悔しそうに、それでいて少しだけ寂しそうにつぶやくリアは可愛かった。それこそ抱きしめたいぐらいに。 『そっかー。ちぇ〜、ずるいよキリノ。勝ち逃げなんてさ〜』 『何言ってんのよ。それまであたしをギタギタにしてくれてたくせに』 『えっへへへ。でもさ、なんでキリノはあの時あんなに速かったの? あたしは絶対に負けるつもり無かったのに』 その質問にドキッとなる。正直に言うのは少しだけ恥ずかしいし。 『え? それは……内緒。でも、そうね。もし機会があるならあたしの家においでよ』 『キリノの?』 『うん。そしたら教えてあげるわよ。あたしが速くなった秘密。それに、アンタには見てほしいものもあるしね』 『そっか! じゃあ、絶対に桐乃の家にいくね!』 『うん、待ってるから。そん時は連絡よこしなさいよ』 『うん! じゃあねキリノ!今度は絶対リベンジするからね!』 そう言葉を交わしてあたし達は別れた。再会の約束をして。 日本に帰る日がきた。 短い間だったとはいえなんだか感慨深いよね。 トランクを横に置いて待ってる間に兄貴が手続きを済ませて戻ってくる。 「待たせた」 「ほんとよ。何をそんなに手間取ってるんだか」 「しかたねえだろ。思ったより人が多かったんだよ」 そういって不機嫌そうに顔を歪める兄貴。こんなやり取りも今は楽しい。絶対に言ってやんないけど 「さて、いくか。そんなに時間があるわけじゃねえしな」 「そだね。……ねえ兄貴」 「ん?」 「……やっぱりなんでもない」 「んだよ。言いたいことがあるんなら言えよ」 「だから何でもないって言ってんじゃん!バカ!」 「あーへいへい、俺が悪かったよ。ったく」 言葉にして伝えるのは凄く恥ずかしいけど……迎えに来てくれて、ありがとね。兄貴。 また、よろしくね。 End 252 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/04/27(水) 20 42 47.78 ID OQHwzj4Z0 [2/6] オリジナルサイズ
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787 名前:【SS】[sage] 投稿日:2011/11/13(日) 14 48 15.11 ID v4A25rHF0 SS偶然の出会いと必然の出会い 「どうした? いきなり黙り込んでさ」 「少しね。昔の事考えてた」 隣を歩くあいつが、不思議そうにあたしの顔を覗き込んでくる。 「心配しないで」と微笑み返す。あいつは安心してくれたのか前に向き直る。 クリスマスの今日、あたしはあいつに誘われて渋谷の街へと来ていた。 赤と白に彩られた街があたしは何より好きだった。あたしにとって一番大切な出会いを思い出 させてくれる素敵な日。この日がなければきっと──。 □ 「──乃、待てよ。待てって!」 背中からあいつが叫ぶ声が聞こえて来る。 それでもあたしの足は止まらない。止まる訳にはいかない。 だってあたしは──あいつを裏切ったんだから。 押し殺していた感情をぶつける相手も場所も無く、ひたすら走り続け──気付いたあたしが 立っていたのは渋谷の街だった。 「あたし……何やってるんだろ」 独りごちても答えは返って来ない。感じるのはとてつもない疲労感と焦燥感だけだ。 これ以上歩けない、そう判断したあたしは手近な壁に倒れこむように地べたへ座りこんだ。 携帯片手に忙しそうなスーツの男、楽しげなカップル、あたしの前を様々な人が行き交う。 そんな人々に混じって赤と白のライトアップがあちこちに見える。 そう言えば──今日はクリスマスなんだっけ。 辺りから聞こえる声も音も普段であれば、きっと温かい気持ちにしてくれたのだと思う。 でも今のあたしにとっては耳障りなノイズでしかなく、孤独な自分を知らしめられるだけ。 耳を塞いでも聞こえて来る声は、容赦なくあたしの心を切り刻んでいく気がした。 ──苦しいよ。やだよ……誰か、助けてよ。──お願い、誰か──! 「────あんた、何やってんの?」 「……え?」 頭の上から聞こえる声で、一瞬ノイズが鳴りやんだ気がした。 顔を上げると女の子の顔が、あたしを見下ろしている。 「なんか分かんないけどさあ、何そんなとこでぼーっと落ち込んでんのかって聞いてんの」 「…………あの」 「つかあたしもどうかしてるよね。いきなり知らない人に声かけてさ、なんかあたしらしく 無いって言うか──それもあのバカのせいだけどっ!」 あたしに声をかけてきた女の子は心配そうな表情を見せていたかと思うと、突然怒り出す。 その突拍子もない様子に呆気にとられていたあたしは、いつの間にか心が少し軽くなっていた 事に気付いた。 少しだけほっとしてるんだ、あたし。──誰かが自分に気づいてくれた事に。 「……あたしね、大切な人を裏切っちゃったんだ」 誰かも分からない相手。それでもあたしは、何故か話したい気持ちになっていた。 あたしが言葉を紡ぎ出すと、女の子はあたしの隣にしゃがみ込んでくる。 「その人はあたしの話を聞いて、ただ『そっか』としか言ってくれなかった。──あたしが 酷い事したってのに……なのに」 大切な人──あいつの顔を思い浮かべる。あいつはあたしの話を聞いても、一言も言い返して 来なかった。言い返して──罵ってくれた方が楽だったのに。 「あたしはあいつの顔を見てるのが辛くなって、それで──逃げ出しちゃったんだ」 あたしが話している間、女の子はずっとあたしを見ている。その表情は何かを考えている様に も見えるし、聞き流しているだけにも見えるけど、あたしにはどっちでもよかった。 「あたしには……どうしても許す事が出来ないから」 たった一度の気の迷いかもしれない。だけど、そんなのは理由にならないから。 「……でさ、結局あんたはそれで納得してんの?」 「分かんない。でも、あたしは──あいつの元には戻れない」 「あんた、本気でそう思ってるワケ?」 あたしに向けられる女の子の視線が、あたしの心に突き刺さる。 「そんなの……あんたに言われる筋合いなんて無いよ! あたしは納得できない」 「ふーん……」 女の子はあたしの言葉に立ちあがる──まるで興味を無くしたかのように。 それを見てあたしは、自分の言葉に情けなくなりつつも、今の自分──落ちて行く自分自身を 受け入れてしまっていた。 これでいいんだって……あたしはあいつと一緒にいる資格なんて無いから。 「あたしは──きっと納得しないと思う」 聞こえてきた声──女の子へと顔を向けるあたし。 女の子はあたしを見てはいなかった。 「自分の手の届く所にいるのに諦めるなんて──どんな理由があろうとあたしには出来ない」 「だって、あたしは……」 「あたしはあんたじゃない。だから諦めない」 女の子の表情はこちらからは見えない。だけど、その言葉からは真っすぐなものを感じ取れる。 「──だってさ、そいつは傍にいるんでしょ? もしいなくてもこの世界にいるってんなら、 会えない訳じゃない。それで諦めるなんて馬鹿じゃん」 「……馬鹿、か」 「あいつがこの世界にいる限り、あたしはどこまでも追って行ってやる。それで認めさせて やる。それがあたしなんだから」 強くハッキリと言い放つその言葉は、あたしだけでなく自分に言い聞かせてる様にも見える。 ──そうか、そう言うことなんだ。 あたしがこの子に声をかけられた時に感じた気持ち。 不確定で形が見えない感情の意味。それが僅かに形になって見えた気がする。 壁に手をあてながら立ちあがるあたし。さっきまでの苦しさが嘘の様に消えてしまっていた。 「ありがとね。なんかスッキリした」 「別に? あたしは何にもしてないっての」 裾を手で払いながら改めて女の子を見る。 彼女の表情から、あたしは知らないうちに自分が笑っていた事に気付いた。 「そうだよね。あいつはあたしの傍にいるんだから……諦める理由になんてならないよ、ね」 「なんか納得したっぽいね──と、ごめん」 女の子は携帯を取り出して誰かと話し始める。 「あんた何の用────あっそう。じゃ、10分で集合ね。──はあ? こんな日に他人の用事 とか受けるあんたが悪いんじゃん! あたしを待たせたバツは重いかんねっ!」 乱暴に携帯を切る女の子。その表情は言葉や行動とは裏腹に嬉しそうに見える。 「っつーワケであたし行くから。あんたも行く場所、あるんでしょ?」 「うん。ホントにありがとう。そうだ、あんた名前は──?」 走りかけた女の子は少しだけ振り向き、 「──あたしは高坂桐乃」 「あたしは──」 名前を告げて、そのまま走って行った。 ……行っちゃったな。 女の子が走り去って行った方向を見つめながら、あたしは今までの事を思い返していた。 あの子の言うとおりだよね。あいつはあたしの手の届く所にいるんだから。 だから──あたしは諦めちゃいけない。 軽くなった足取りを確認したあたしは、真っすぐ前に歩き出した──大切な人がいる場所へ。 □ 「──乃。また考え事か?」 隣からあいつの声が聞こえて来る。どうやらあたしは考え事に没頭していたらしい。 「ごめん。なんか色々思い出して。……凄く大切な思い出があるから」 「そういや……5年位前だったか。あの日も確かクリスマスだったよな」 あたしの顔を見ながら、少し懐かしそうにするあいつ。 「あんたがようやくあたしを好きだって言ってくれた日だしね」 「お前……っ! そ、それは無しだぞ」 あいつはあたしの言葉に顔を背ける。 ったく、相変わらず素直じゃないってんだから。──でも、ホントに色々あったんだよね。 隣を歩くあいつとの出来事は辛いながらも、あたしにとっては全てが大切なもの。 乗り越えられたのは、きっとあの時の出会いがあったから── 「──もうっ! あんた早過ぎだっつーの」 聞こえた声に思わず振り返るあたし。 えっ。今のってまさか──! 振り返ったあたしの目に、ライトブラウンの長い髪がなびく姿が見える。 目で追うと、一人の女の子があたしの横を走りすぎる所だった。 「急がないと遅れちまうぞ。桐乃」 「元々遅れたのはあんたのせいじゃん」 「すまねえ。分かってるって。だから、車で迎えに行ったじゃねえか」 「それで渋滞に巻き込まれてたら意味無いと思うんだケド」 「……それは俺のせいじゃねえだろ!」 何やら言い合いながら並んで歩いていく二人を見つめるあたし。 傍からみれば、痴話げんかにも単なる言い合いにも見える二人。 それを見たあたしは、心の中に少しだけ残っていたつかえが取れるのを感じた。 よかった──あの子も、上手く行ったんだ。 並んで歩く二人の左手に、あたしはそう納得する。 「今の子は、知り合い?」 「うん。──あたしの恩人、かな」 「そっか」とだけつぶやき、あたしを見つめて来るあいつ。 いつもあたしだけを見てくれている──誰よりも大切な人。 「急がなきゃ。あたし達も遅れちゃう」 「そうだった! それに今日は大切なものを渡さなきゃいけないしな」 「……何それ」 「後のお楽しみだよ。それじゃ行こうぜ────理乃」 -------------
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569 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2012/02/10(金) 19 22 40.94 ID ywiM5lez0 [1/6] 受験生の鑑たる俺が勉強机に向かっている正にその時、沈黙を破る呼び鈴が鳴り響いた。 予感を感じて時計を見ると、短針は2時を差している。 やれやれ……。あいつは俺が一人暮らしを始めた理由がわかってんのか? 呆れて溜息を一つつくが、急かすように響く2度目の呼び鈴は俺の思考さえも許してくれない。 仕方ねえ。 肩をすくめて立ち上がり、俺はしかめっ面で待ってるであろう、玄関先の来訪者を迎えに行った。 「遅い! シスコンの癖に妹を待たせるとか、マジありえないんですケド」 「……やっぱりお前かよ」 玄関で早速言葉の刃をぶつけてきたのは、桐乃だった。 やっぱり、というのも、俺は玄関のドアを開ける前……いや、その前の急かすような二度目の呼び鈴の前ですら、来訪者の正体を見抜いて いたのだ。 ……とかもったいぶった言い方をしてもしかたねぇ。理由は簡単。 最近、休みの日になると必ず、昼過ぎに桐乃がここへ顔を出すようになったのだ。 「……なによ、なんか不満なの? こーんな可愛い妹が遊びに来てやってんのに」 「いえいえ。めっそーも御座いません。んじゃま、とりあえず上がれ」 なによその態度! などなど後ろから罵声なのか独り言なのか判然としない声が聞こえるが、それもいつもの通り。 これに一言一言反応してたんじゃ、俺の身が持たないって。 俺は最近、お袋の言い付けで一人暮らしを始める事になっちまった。 何でそうなったかって―と、正直話すと長くなるので割愛したい。ただ、直接的な理由は【俺と桐乃の関係】にあるとだけ、言っておこう 。 ――あー、冷蔵庫のプリクラはやっぱりやり過ぎだったか。ちょっとノリに任せて余計な事をしちまったかもしれない。 「んで? 今日は何の用だ?」 勉強机に座りなおして、一応ながら聞いてやる。まあ、聞かなくても分かってはいるんだが。 「何って、エロゲーに決まってるじゃん」 ですよねー。 そう。このエロゲー大好き中学生こと高坂桐乃は、母親から【妹と近づき過ぎないように】との目的で一人暮らしを始めさせられた兄のも とへ、【エロゲーがやりやすいから】というだけの理由で入り浸っているのだ。 つか、普通に駄目だろ、これ。 「桐乃、別に俺は来るなとは言わねぇけどさ。大丈夫なのか? お袋に怪しまれてないのか?」 「だーいじょうぶだって♪ 今日だってあやせの家に行くって言って出てきたもん」 なんつー恐ろしい事をしやがるんだこいつは。 もし仮に、ちょっとでも帰りが遅くなってお袋があやせの家に電話でもかけようものなら。 お袋とあやせ。 2人の修羅が、この俺ただ一人を目指してこの部屋に侵攻してくるってわけだ。 マジで勘弁してくれ。 「お前、今日は早く帰れよ?」 「さーねー。あんたがこのシナリオクリアしたら帰ってあげよっかな」 ちくしょう。こいつは俺の危機的状況を何ひとつ理解していやがらねぇ。 勉強だってしなきゃならないんだし、とっとと終わらせて帰らせることにするか。 「おーし、じゃあやってやろうじゃねぇか。お前から借りた数々のエロゲーで鍛えた俺をなめるんじゃねぇぞ」 「はぁ? あんたなんかエロゲーマーの底辺にも達してないわよ。このあたしが特に目を掛けて育ててやってるんだから、とっとと1人で CG回収くらい出来るようになれっての」 こ、このやろう……。いい度胸じゃねぇか。見せてやるぜ! シスコンをはっきりと自覚したこの俺の、脅威のエロゲー捌きを! 「だぁから、違うって言ってんでしょ!? なんであんたは『仕方ない』って選択肢ばっかり選ぶの! 兄妹だろうがなんだろうが、愛が あれば大丈夫なの!」 「おまっ! 大丈夫なわけ無いだろ!? 覚悟も無ぇで、んなこと!」 「あぁもーあんたはほんっと駄目! ぜんっぜんエロゲーに向いてない。ちょっとコントローラー貸しなさいよ!」 「馬鹿っ! 俺がやってるデータだぞ! きりりんたんは俺が幸せにするんだよ!」 「あんたじゃ幸せに出来ないから貸せってんでしょぉ!」 結局こうなっちまった。 俺の選ぶ選択肢と桐乃の選ぶ選択肢はことごとく違う選択肢で、俺の進める通りに行くと必ずバッドエンドが待っている。 くそぉ。おかしくねーか? このゲーム。なんで妹と結ばれなかっただけで、あんなに不幸がドッと舞い降りて来るんだよ。 「当たり前じゃん? 本当の気持ちを押し殺して迎えた未来なんて、どうやったって幸せになんかなれないよ」 ぽつりと零れた桐乃の言葉は、何だか寂しげな響きを纏っていた。 結局コントローラーの取り合いには俺が勝利し、たった今、本日3つめのバッドエンドを迎えたのだ。 内容は……プレイヤーは安心できるだけの彼女と結婚し、後に離婚。一人で寂しい余生を過ごす。 妹は兄への気持ちを忘れる事が出来ずに外国へ。その後、一切の連絡を取る事が出来なくなった、だそうだ。 「好きな人とは一緒にいるのが自然なの。周りがとやかく言うからって、仕方なく離れたりトカ……ホントありえない」 苛立ちを露わにするように呟く桐乃。下唇を強く噛んで、痛々しい。 「お、おい。悪かったから、そんなに唇を」 「あんたはほんっと下手! あたしに貸せっ!」 完全に油断していた俺に、桐乃が襲い掛かる。 おわっ! なんでこいつこんなに必死になってやがるんだ! 先手を取られて体勢不利になったままじゃ耐えられないって! 「おわっ」 「っ!」 桐乃の全体重を掛けての攻撃にあえなく陥落した俺は、後ろに倒れこんでしまった。 いってー! 頭打ったじゃねぇか! 桐乃はどこもぶつけてねぇだろうな? そう思って顔を上げようとしたが。 ……え、あれ? な、なんだか柔らかい感触が胸の辺りに……。 「ん、なっ!」 目を開けると、かなりやばい体勢になっていた。 俺が桐乃にビンタされたあの状態の、いわゆる逆バージョンだ。 俺が下に寝ていて、上から桐乃が密着状態で覆い被さっている。男性が下になっている分まだ卑猥さは軽減されて感じるが、客観的に見て みればどっちでも関係なくヤバい。 「す、すまん! すぐに退くから」 どっかで聞いたような台詞を吐いて、もぞもぞと動いてみる。 しかし、動くたびに桐乃の甘い香りが鼻をくすぐる。柔らかい感触は形を変えながらその存在を更に主張する。 や、ヤバイ。これはマジでヤバイ。このままでは……気付かれる。 妹に欲情する変態野郎だって気付かれちまう! ぐおおおお! 鎮まれ、俺の海綿体! 頼むから抜け出すまで、それまでで良いから眠っててくれぇ! 「つか、桐乃、どうした? お前は動けるはずじゃ……っ!」 その後の言葉を紡ぐ事は出来なかった。 一言も発さなかった桐乃は、無言のまま、顔を伏せたまま……俺に感情を見せないままで、抱きしめてきた。 心臓が大きく跳ね、顔に血が上るのが分かる。 「き、桐乃……?」 恐る恐る、声を掛ける。 「……駄目なの?」 やっと発した桐乃の声は、消え入りそうなものだった。 意味が理解できない俺は、ただ桐乃の言葉を待つ。 「何で遊びに来ちゃ駄目なのっ!?」 家具の殆ど無い部屋は、桐乃の叫びをより際だたせた。 「お母さんもお父さんも、何でそんなこと言うの? 好きな人と一緒にいる事の、どこがそんなにいけないの!?」 「桐乃……」 「あんただって!」 そう言って見つめる瞳が涙に濡れていることに気付き、俺は何も言えなくなる。 「仕方ないとか、しょーがねーだろとか、なに言ってんの? 兄妹が仲良かったらそんなに駄目なの?」 駄目なんかじゃない。 アメリカのとき、偽彼氏事件のとき、黒猫のとき。俺は確信したじゃねーか。 桐乃が大事で大事で、大好きで大好きで仕方が無い。 これが俺だって。これが俺の、偽らざる気持ちだって! 桐乃はずっと、俺の一人暮らしに反対だったんだ。だからお袋の言い付けも聞かず、敢えてここに遊びに来ていた。 いや、それだけが理由じゃない、か。 「桐乃」 「……なによ」 ぐずぐずと鼻を鳴らしながら、俯いて答える。 「悪かった、俺も同じ気持ちだ。お前と一緒にいることは、何にもおかしいことじゃない」 「……うそつき」 取り付く島も無い。そりゃそうだ。俺はここまでの行動で、散々桐乃の期待を裏切っちまった。 だが……俺は完全に吹っ切れた。 自分の好きな女にここまで言わせておいて動かずにいられるほど、俺はぼんくらじゃないつもりだ。 「嘘なんかついてね―よ。俺はお前が彼氏を作るのなんてイヤだって言ったがな。……本当は俺がお前の彼氏になれればと思ってたんだよ 」 「……嘘! じゃあなんでゲームであんなこと言ったの!? あたしが一体どんな気持ちで……」 「違う! ゲームとお前とじゃ全然違うんだよ! ゲームの中の妹はただの妹だろ! だけどお前は……桐乃は、俺にとって全然違う存在 じゃねぇか!」 そうだよ。あんなゲームでわかるわけがねぇんだ。 あれは『ただの妹』だ。俺の選択肢は、全く間違っていなかった。 だけど、俺が好きなのは、こいつだけなんだ。 俺の本当に選ぶべき選択肢は、こいつの為だけにあるんだ! 「きょ、京介……」 「桐乃、手を貸せ!」 「は?え、ちょっと……」 殆ど馬乗り状態になっている桐乃の手を取り、『そこ』に触れさせた。 そこ。俺の滾る情熱の権化。桐乃への想い、劣情、欲望、色んな物が詰まったその場所。 そう。俺の股間だ。 俺の情熱に触れた桐乃は、ほとばしる熱さが移ってしまったのか、顔を爆発せんばかりに赤くして震え出す。 「ばっ!なっ!ちょ、は、ななななななんあんたなんなん……!」 無論、俺の桐乃への情熱は見事な剛直を保っていた。 恐らく初めて触れたであろうその感触に、真っ赤になりながらも動く事すら出来ずに固まっている。 「わかったか! 俺は桐乃が好きで好きで好きで好きで、ちょっとくっついていただけでこんな有様だ! 兄妹なんだから仕方が無い? 知るかそんな事!」 「あ、あんた、自分がなにやってるか、わかってる!?」 目をぐるぐるにしながら、桐乃が怒鳴る。 でも手は動かない。 「分かってるよ! だがなぁ、こんなになっちまうのが男の性とはいえ、俺の本当の望みはお前を抱く事じゃない」 「……へ、は?」 その手を強く握り締め、強く引き寄せる。 同時に上体を起こした俺と桐乃は、座りながらに抱き合うような形になった。 「きょ、京介……」 「桐乃、悪かった。お前を不安にさせてたって、また気付いてなかった」 全く、本当に俺という男はどうしようもない。 一体何度、好きな女を泣かせれば気が済むんだ。 「だから、俺とお前の『仕方ない』を、ぶっ潰してやる」 「ぶっ潰すって、どう、やって? ……あっ」 見詰め合う。 桃色に染めた頬。所在無げに動く唇。とろんと蕩けた瞳。 段段と近づいて来る、愛しい桐乃の顔。 そう。これは俺と桐乃にとって、絶対に超えられなかった、大きな壁。 全然大した事のないものだった。 俺に勇気と覚悟があれば、いくらだって乗り越えていけたものだったんだ。 そう。覚悟。 兄妹だろうが、愛さえあれば問題ない! その覚悟だ! 心の中で強く気持ちを噛み締め、俺は桐乃に微笑む。 「……そうだな」 さあ、今日から始めよう。 もどかしい壁のぶっ壊れた、あるべき世界を。 「目を閉じれば、分かるよ」 -------------